＜designer's memo＞

二枚の布で出来たフルレングスのアシンメトリードレスです。

トルソーの上で布を動かし、布と遊ぶ様に試行錯誤しながらできたアイテムです。
右前身頃は後身頃に体の曲線を意識して叩きつけることでシルエットを構築しました。
また、左身頃は直線的なラインに仕上げることで、着用した際に生じる偶発的な布のドレープなどを意識して作成しました。

右肩にはクルミボタンを使用した開きを作り、ボタンの開閉でネックラインの開き具合を調整することができるようにしました。
こちらの開きディティールによって生まれた、自然と折り返る襟もポイントの一つです。

裾のラインは前後左右で差をつけることで、リズミカルな印象に仕上げました。

また、一部の生地端にフリンジを施すことでラフで軽やかな印象に仕上げました。

立体裁断で、ある意味偶発的に出来た本アイテムですが、自分たちの服作りの原点に立ち返った様な特別な１着となりました。たくさんの方に手に取っていただけたら嬉しく思います。

​

＜素材＞

綿 85%

和紙 15%

​

滋賀県高島市で発展した「高島ちぢみ」という技法を用いた、綿と和紙糸の強撚糸を使用して作られた素材です。 強撚糸で織り上げた生地に型押しをして凹凸を作り、生地と肌との接着面を減らすことで、サラッとした清涼感があるのが特徴です。 さらに、和紙糸を使用しているため、より吸水速乾性に優れています。